海辺の街
海辺の街にやってきました
かつて君が愛したこの街で
僕は一人思い出辿り
潮の香りを感じています
君が未来を失った時に
あまりに短い命に落ち込んで
言葉を失くし涙も枯れて
希望を失った
重ね合う指先が冷たくなって
言葉すら交わせない僕たちでした
「遅かれ早かれ終わりは来るのね」
君は笑って静かに呟いた
ドクターはもう諦めて
僕らを家に帰そうとしてた
限られた時と分かったけれど
僕らは優しい時間を過ごそうと
海を見ました
岬を周り
君が愛したこの街で
重ね合う指先が冷たくなって
言葉すら交わせない僕たちでした
歩いてたそれだけで
幸せでした
愛だけで生き抜いた
僕たちでした
僕たちでした
僕たちでした